#3 クリオロ
最初はお気に入りのお店を順番にアップしていこうと思いましたが、そうすると行ったケーキ屋さんのことがどんどん忘れ去られていくので、あきらめました。
ということで、今回はクリオロに行きました。
こちらのお店は何度か目の前を通り過ぎたことはあるのですが、中目黒という土地柄、お高めの普通のケーキ屋という思い込みで、スルーしていました。チーズケーキが有名らしいですね。私はチーズケーキがよくわからないので(そして高かったので)、買ってません。
【基本データ】
来訪日時:2020/3/6(金)16:36
食べログ点数:3.80
その他:食べログ スイーツ 百名店 TOKYO 2020 選出店
引用:食べログ
クリオロ 中目黒店:https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13077927/
【お店の印象】
狭い。人ひとり分立つのがやっとの店内です。
ケーキは6~7種類あって、潤沢にありました。が、ケーキよりもチョコや焼き菓子が陳列棚の面積を占めていました。
お客さんは、壮年のサラリーマンとマダムが一人ずついらっしゃいました。
ケーキの箱と一緒にチラシが入れられたり、ポイントカード制だったり(しかも入会に100円取る!)、なんだか商魂たくましい店だなと思いました。狭い店舗なのにスタッフ4人もいらっしゃいましたし。
【ケーキの感想】
まずはモンブランをいただきました。
栗のペーストと生クリームは同じくらいの量かな。甘さが深くないというか、表面的というか、単純な甘さですね。
下のメレンゲはサクサクしてます。チョココーティングしているからかな。コーティングしているのは珍しいですね。
モンブランはもうちょっと好きなところがあるかなぁという感想です。クセはないので万人に食べてもらいやすい味かと思います。逆に、僕には印象に残らない味。
ところで東京23区で一番と書いてあったから、どういう基準かと思えば、ZIP!で専門家が点数をつけたんですね。参考までに平岩理緒さんの評を引用させていただきます。
●エコール・クリオロ「モンブラン」(豊島区・千川/目黒区・中目黒)
土台の厚みあるメレンゲを、口どけのいいチョコレートで極薄くコーティングし、さらにスポンジ生地を挟むことでしっかりとサクサク食感を保ち続ける工夫が秀逸。
中にはマロンムースやラム酒のクリーム、生クリームが層をなす凝った構成。
回転台を使った緻密な絞りも高い技術を要するもので、見た目も大変美しいモンブランです。
大人にお勧めしたい一品です。
引用:日本テレビ『ZIP!』の「極上モンブラン」」特集で解説を担当しました(10/6)
幸せのケーキ共和国:http://shiawasenocake.net/media/5142/
ちなみに審査概要はこちら。
・東京23区 都内30店の中から厳選
・審査員は以下の3氏
♦︎スイーツジャーナリスト 平岩理緒さん
♦︎スイーツブロガー あまいけいきさん
♦︎東京スイーツ&カフェ専門学校 講師 大石栄子さん
・今回の審査内容
コスパ
味
ルックス
技術
引用:『東京 極上モンブラン・ランキング』in 日テレZIP! BOOMERS! 放送日:2015.10.6
笑顔引き出すスイーツ探究:https://sweets1437.exblog.jp/24774838/
さて、お次は世界大会で賞を取ったという「ガイア」。
キャラメル系ですが、キャラメルっぽい味はあまりしないです。大部分がムースで、下地にクッキーのような(と思ったらナッツ*1でした)生地があって、その上にスポンジがはさんである仕組みです。
上のバニラムース部分とスポンジまでは一緒に食べられるのですが、ナッツの生地が食べる時につい分かれちゃって、別々に口にしてしまいます。作り手の意図とは違う食べ方になってしまいました。
こちらも万人に受け入れられる味ではないかと思います。
お次はショートケーキ。
スポンジのきめが細かくて、食べやすいです。クリームもほどよい甘さでバクバク食べられちゃいます。
最後はこちら。
これはおいしいなぁって感じです。チョコレートムースが口の中のほとんどを占めますが、口の中でなめらかに溶けていきます。甘さもほどよい。下のスポンジも特に口の中でひっかかったりしません。むしろ上のベリーのゼリーが、バクっと食べたら口の中で溶けずに残ったりするので、ゆっくり食べましょう。
さて、この世界大会の受賞がアピールされているケーキたちですが、「世界パティスリー2009」という大会で、アントルメ部門(ガイア)、プチガトー部門(ニルヴァナ)で優勝したようです。最優秀味覚賞は「フランス」チームが獲得したみたいです。
どんな大会だったかはこちら。
二つの世界大会で優秀な成績を収めた、世界トップクラスのパティシエたちを招聘し、日本を含む計8カ国によって、デザート&スイーツの味と技を競い合う国際コンペティションが開催されます
◇表彰
- 優勝 トロフィー、金メダル、賞金 750万円
- 準優勝 トロフィー、銀メダル、賞金 300万円
- 第3位 トロフィー、銅メダル、賞金 150万円
- 最優秀アメ細工ピエス賞
- 最優秀チョコレートピエス賞
- 最優秀味覚賞
- 最優秀チームワーク賞
- 参加賞 50万円(上位3位に入賞しなかったチーム)
引用:世界パティスリー2009/IPGP
All About:https://allabout.co.jp/gm/gc/217851/
ちなみに「ガイア」が優勝したアントルメ部門の様子はこちらに詳しいです。だいぶ接戦だったんですね。
世界パティスリー2009/スイート・スイーツジャパン 密着レポートVol.2
http://www.sweets-daisuki.com/feature_report/sekaipatisserie_vol2_2.html
【まとめ】
こちらはムース系がおいしいかなと思います。ショートケーキもおいしかったので、基本的には外れないと思います。ただ、ケーキの大きさに対してお値段が高め。
モンブラン580円、ガイア650円、苺のショートケーキ540円、ニルヴァナ520円。
ちなみにガイアとニルヴァナはネットで冷凍でも買えるケーキです。「世界に認められたケーキがいつでも通販で買えますよ!」となると、買いたくなるし、おいしいと思い込んでしまいますよね。そういうところも含めて、職人気質のケーキ屋さんというより、商売上手な企業だなと思いました。
#2 アテスウェイ(a tes souhaits!)
今回はアテスウェイを取り上げたいと思います。
RYOCOの次だからどこにしようか・・・と思っていましたが、やっぱりここかなと!
さて、アテスウェイはかなり有名ですね。東京女子大学の前にあります。西荻窪のほうが近いですが、私はいつも吉祥寺から歩くことにしてます(井の頭線を使うので)。あのアニメ映画「時をかける少女」で主人公が叔母さんへのお礼としておいしいケーキをテイクアウトで大人買いする場面があるのですが、そのモデルのケーキ屋さんと言われています。
僕はRYOCOに次いで何でもおいしいと思うケーキ屋さんですが、世の中的にはモンブランを推す声が多いようです。
ちなみに、人気がゆえに、並びます。
味は覚えていないので、今回のところは無責任に書くことは避けますが、どれを食べてもおいしいです。値段も手ごろ。ただ、甘めかな?
休日に行かれる際は並ぶことを覚悟していかれるとよいでしょう。
ケーキを買うときのこだわり(ver. 1.0)
このブログを読んでいただくにあたって、どんな人間がどういう基準でケーキのことを書いているのか知っていただいたほうが、読み手も「こいつ何言ってるかわからん」とか「それはお前だけじゃないの」とか、ムダに思わなくて済むんじゃないかと思って、僕が何を考えてケーキ屋さんに通っているか、書きたいと思います。
こだわり0:食べログ3.5以上を基準に
これはこだわりというわけではないですが、どんなケーキ屋さんでも行くのか、というと、食べログ3.5以上を一応の目安にしているかなぁというくらいの話です。ただ、地方だと特に3.5に満たないところもたくさんあるので、口コミもある程度読んでどの程度の話題性があるか織り込んだうえで訪れるようにしています。
こだわり1:価格はどんなに高くてもケーキひとつ600円ぐらいまで
ケーキに限らずですが、世の中にあるものって、衣食住みたいに不可欠なものと、ゲームのような必要ないっちゃないけど、あれば豊かになるよね、というものの2種類 に分かれると思うんですね。そう考えたとき、ケーキは間違いなく後者、つまりあれば豊かになるよね、というものだと思うのです。
ケーキは「人生を豊かにしてくれるもの」だとすれば、どれくらい身近であってほしいか、が次の焦点になります。そこで僕は「ある程度誰でも手に取れる、身近なものであってほしい」と考えました。それは、他の人に薦めたいと思ったときに「高いやん」と思われちゃうと、そのケーキの良さとかすばらしさを伝えることができないなぁと思ったからです。
一方でケーキが一定以上高い場合、原材料の高騰だけでなく、より良いもの(≒高級なもの)を使っていることが多いのも事実です。僕は「良いものを使っていればおいしいに決まっている」という考えなので、原材料に高級なものを使っているものは、自分のケーキ評価から除外しています。たとえばパティスリー・サダハル・アオキ・パリは僕の中でもとてもおいしい部類に入りますが、立地のせいかお高いので、あまり人にすすめたりしません。もちろん金に糸目はつけないという人には話しますが、そうなると際限なくて、ケーキ屋さんを探す方からすると高価な店を薦めておけばいいということになって、面白みに欠けますよね...。
ケーキ屋はまだ100軒ぐらいしかめぐってないですが、それでも700円を超えるのは高すぎるので除外としています。ちなみに600円台でも結構厳しいです。理想は400円台後半ぐらいですね。経験上ですが、400円台前半になるといわゆる「町のケーキ屋さん」という感じのテイストになってきます。
そんなわけで、値段をひとつのボーダーとして設けています。
こだわり2:はじめての来訪時は「チョコレート系」「ショートケーキ」「タルト系」の3種類を必ず選ぶ
ケーキ屋さんに入って、何を選ぶのかというのは人ぞれぞれだと思います。自分の食べたいものを買う、一番人気のケーキを買う、スペシャリテ(そのお店のパティシエの得意とするケーキ)を買う、といろんな人がいると思います。僕は先に挙げた3種類をできるだけ買うようにしています。理由としては、この3つを食べれば、そのお店の何がおいしいか(=自分の口に合うか)がだいたいわかるからです。つまりチョコレートがよさそうか、スポンジや生クリームがよさそうか、焼き菓子系がよさそうか、目星をつけられるので、もし次回行きたいとなったときにはそこに狙いを定めることができるからです。
もちろんお金がありあまるほどあれば、端から端まで買うのかもしれませんが、資源は限られていますし、胃袋にも限りがあります。翌日に持ち越すと本来のおいしさはなくなってしまいますから、買いすぎないようにという意味でも、この3種類をだいたい買うことにしています。
ちなみにスペシャリテもいっしょに買うことが多いですが、パティシエ本人も自信があって、ある程度評価も定まっているものであることが多いので、マストで買うことはありません。どちらかといえば、一品突破のスペシャリストではなく、何を食べても一定以上おいしいよね、というゼネラリストを求めてケーキ屋をめぐっていますね。
こだわり3:基本的にテイクアウトして家で食べる
これはサロン・ド・テ(イートインスペース)を併設していないケーキ屋さんが多いから、という事情もありますが、食べる環境がおよぼす味覚の影響って大きいと思っているので、条件を統制するために、という意味でもテイクアウトして家で食べます。たとえば、めちゃくちゃ優雅なお店で、素敵な食器に囲まれてイートインすれば、そりゃおいしいと感じるでしょうし、もっと言えば体調や気温、一人で食べるか誰かと食べるか、でも変わってくると思います。金額もそうで、たとえばその値段の高さで話題になるパティスリーSATSUKIのスーパーシリーズなどは、3000円も払ってるし、めちゃくちゃおいしい果物使ってるし、しかもニューオータニだし、と脳をだます要素がふんだんに盛り込まれているので、絶対まずいとはならないわけです(ちなみに僕は600円以内でもっとおいしいショートケーキを食べたことがあるかも、という感想でした)。心理学的には認知的不協和といわれるやつですね。こういったバイアスをできるだけ避けるという意味でも、何らかの事情がない限りは持ち帰るようにしています。
こだわり番外編:生ケーキのみを買う
これは本当に単純な理由で、「焼き菓子は味の違いがよくわからん」のと「そこまでやりだすとキリがない」、ただそれだけの理由です。かろうじてタルトの焼き加減がわかるかなぁというくらいでして。だからタルトは、まずいものは分かるけど、「うまい」グループの中の違いは他ほど分別できてないかもしれません。。。
以上が僕がケーキを買うときに考えていることですが、まだまだこだわりっていうほど突き詰めてもないですし、いままでなんとなく考えていたことを文字にしただけであって、とくに根拠はないので、これから精緻にできればいいなと思って、題名にver. 1.0とつけました。
もしこのブログに書かれてあることで、「?」と思ったことがあれば、こちらを読んでいただくと少しは理解の助けになるんじゃないかと思います。
#1 PÂTISSERIE RYOCO
記念すべき第一回目の記事は、ここしかありません。
リョーコ!!
今や押しも押されもせぬ超人気店になってしまいましたが、リョーコさんとのおつきあいはまだ開店間もない2006年にさかのぼります。僕の中では、世界史におけるキリストの登場ぐらい、リョーコさんを知る前と後では歴史が変わっている、そんな衝撃の出会いでした。
詳しい話をする前に、簡単にリョーコさんの紹介をこちらの記事から引用して紹介いたします。
ーーーーーーーーーー引用はじめーーーーーーーーーー
竹内良子/Ryoko Takeuchi
1977年 大阪府生まれ。物心ついた頃からお菓子を作り始め、以後、趣味としてお菓子作りを楽しむようになる。
1996年 大学入学。数々のアルバイトを経験し、好きだったお菓子作りを本業にすることを決意。
2000年 神戸の製菓店に就職。その後、神戸と大阪の製菓店で3年間働いた後、渡仏。
2003年 南仏「ミッシェル・ブラン」にて1年間修業。
2004年 パリ「アルノー・ラエール」にて1年間修業。
2005年 東大阪市に「パティスリー リョーコ」をオープン。
2007年 スイーツマニアのブロガーの記事がきっかけで人気に火がつき、行列のできる有名店に。
2012年 東京・高輪に移転し、お店をリニューアルオープン。すぐに評判の人気パティスリーとなる。
2016年 来店客の待ち時間をなくすとともに、本来のパティスリーとしての製品作りとサービスに集中するため、予約販売制を導入。
ーーーーーーーーーー引用おわりーーーーーーーーーー
2005年の1月に大阪の荒本で開店されたのですが、上記にあるような2007年のきっかけの前に、2006年の秋に朝のテレビ番組で来栖けいさんが「日本で一番おいしいチョコの店」って紹介してたんですよね。
当時マイブームがケーキを食べることで、そのとき妙にフットワーク軽くてすぐに電車を乗り継いで行った覚えがあります。
当時のブログにはこんな感じで書いてありました(2006/11/7)。
最近ひょんなことで「パティスリーRyoco」というケーキ屋さんにいきました。
なんでも、名前は忘れましたが、最近たまにテレビに出てる美食家が、
「日本で一番おいしいチョコの店」
とか言った店です。
案外近いので、いってみたくなりました。近鉄のけいはんな線にはじめて乗りました。
近鉄の地下線用の新しい電車が市営地下鉄より心地よくてよかったです。東大阪市の荒本駅で降りまして、カルフールの近くにあるのですが、写真の通りまったく店舗が目立とうとしていません。存在を主張していなかったのでいささか躊躇しました。
平日の昼間だというのに、ひっきりなしに人がいました。
チョコレートがうまいらしいのでチョコレートケーキを買いました。
名前はボード、だったかな。忘れましたが。お味ですが、かなりおいしかったです。
正統路線のチョコレートケーキで、甘いには甘いのですが、後味に残りにくい感じ。
濃厚なのに上品に甘さを主張してきました。
今から振り返ると、個人的には「なぜボードを選んだ?」と思いますが、、、
というのも、その数か月後に5つも6つも買ってきて家で食べたんですが、その時に食べたジャポネ(いわゆるショートケーキですね)に衝撃をうけてしまい、以後のケーキ屋巡りはリョーコさんを超えるケーキを探す旅になってしまったのです。
肝心のお味ですが、甘すぎず、さっぱりしすぎず、スポンジもちょうど良いかたさでペロッと食べられます。しかも、それぞれのパーツももちろんおいしいのですが、それぞれがちゃんと合わさって「ケーキとして成り立っている」んですよね。口の中でパーツごとの味として認識されるのではなくて、ちゃんと混ざり合って調和したものを味わえるんです。ここが他のパティスリーがなかなか超えられないところかなぁと、個人的には思っています。
数年前から完全予約制になり、またケーキもアントルメ(ホールケーキ)しか注文できないので、一人で楽しみたい方にはなかなかハードルが高くなりましたが、荒本でも高輪台でも何時間も並んだあげくお目当てのものが買えないことも多かったことを思えば、予約さえすれば時間指定で確実に食べられるというのは、リョーコファンにとっては画期的なことなのです。人が並んでご近所から苦情が来て煙たがられてその地を追われるくらいなら、これくらいのシステムはまったく問題ないものなのです。
僕のケーキ感度を抜群に上げてくれたリョーコさんに感謝です。